進歩性の主張が困難であるように思える場合に、本願発明の技術的思想と引用例の技術的思想の相違という観点から検討すると、有力な反論が見つかることがある。 判例No. 37平成28年(行ケ)第10071号 審決取消請求事件 以下は、独自の見解です。 1.…
主引用例との相違点となる対象発明の構成が周知であっても、それだけでは、進歩性を否定できない。例えば、当該構成を、主引用例で用いる理由や動機づけがない場合には、進歩性が認められる余地がある。 判例No. 36平成22年(行ケ)第10351号 審決取消…
進歩性 対象発明と引用例とで、解決する課題が同じであり、かつ、解決手段に共通点があっても、厳密に見た場合に解決原理が異なっていれば、進歩性が認められる。 判例No. 35 平成25年(ネ)第10051号 特許権侵害行為差止等請求控訴事件 ※以下は独自…
進歩性 複数の周知例を抽象化した技術を周知技術として認定することはできない。 判例No.34平成28年(行ケ)第10044号 審決取消請求事件 ※以下は独自の解釈です。 1.実務上の指針 主引用例に周知技術を適用することにより、対象の発明に容易に想到…
進歩性 主引用例に副引用例を適用する際に副引用例の構成を変更すると対象発明の構成に至る場合に、当該変更によって副引用例の効果が失われる場合には、当該変更は容易ではない。 判例No.33平成28年(行ケ)第10265号 審決取消請求事件 以下は独自の…
進歩性 請求項において構成に関する記載により引例との相違が明確にならない場合には、引例と異なる技術的意義を請求項に記載することもできる。 判例No32 平成29年(行ケ)第10001号 審決取消請求事件 以下は、独自の見解です。 1.判例の概要 本件…
権利範囲 請求項において明確な用語も明細書を参酌して解釈される。 判例No. 31 平成18年(ネ)第10007号損害賠償請求控訴事件 以下は、上記判例について検討した独自の内容です。 1.実務上の指針 侵害訴訟の場面では、特許発明の権利範囲に関して、…
進歩性 本件発明と主引用例とで、課題の相違により構成要素の大きさや強度などが相違するといえる場合、当該課題を解決する本件発明の発明特定事項は、容易に想到できたものではない。 判例No30 平成21年(ネ)第10028号特許権侵害差止等請求控訴事件…
進歩性 一体不可分の複数の構成から一部の構成だけを分離するのは、容易でない。 判例No.29 平成22年(行ケ)第10162号 審決取消請求事件 1.実務上の指針 対象発明の進歩性が、次の(1)により否定されている場合に、次の(2)に該当すれば、次の…
進歩性 機能で進歩性が認められる。 判例No.28 平成20年(行ケ)第10345号 審決取消請求事件 以下は独自の見解です。 1. 機能を考慮した進歩性の判断 次の(a)(b)の場合に、次の(c)に該当すれば、対象の発明の進歩性が認められる可能性が高い。 (a)対…
進歩性 周知技術の上位概念化 判例No. 27 平成28年(行ケ)第10220号 審決取消請求事件 1.周知技術の上位概念化 1.1 実務上の指針1 周知技術を上位概念化した内容に基づいて、発明の特徴が設計的事項であるとされている場合には、この論理は不…
進歩性 主引用例に周知慣用技術を適用することは容易であるとしても、この適用において、プラスアルファの構成を採用することで進歩性が認められる。 判例No.26 平成20年(行ケ)第10121号 審決取消請求事件 ※以下は、上記判例と、差し戻された審判につ…
進歩性 設計事項 判例No.25平成25年(行ケ)第10229号 審決取消請求事件 ※以下は、独自の見解です。 1.実務上の指針 本件発明は、主引用例に記載されていない特徴Xを有するとする。特徴Xは、周知技術と同様であるとする。 このような場合、主引用例…
判例No.24 平成25年(行ケ)第10277号 審決取消請求事件 進歩性 方式の置換容易性 以下は独自の見解です。 1.実務上の指針 主引用例における発明で使用する方式(上記判例では、真空法)を、関連する技術分野における他の公知の方式(上記判例では…
進歩性 主引用例への副引用例の適用の容易想到性 判例No. 23平成23年(行ケ)第10396号 審決取消請求事件 以下は独自の見解です。 1.実務上の指針 下記(1)の場合、下記(2)(3)に該当すれば、下記(1)の適用は容易でない。 (1)本件発明…
進歩性 性質又は機能が異なる引例の適用又は組み合わせの段階を2回経ることは、格別な努力を要するので、容易でない。 判例No. 22-2平成28年(行ケ)第10186号 審決取消請求事件 ※以下は、独自の見解です。 1.実務上の指針 性質又は機能が異なる引…
進歩性 主引用例の発明と副引用例の発明とが、その機能の点で異なる場合、その機能に関連する副引用例の一部の内容を、主引用例に適用することは容易でない。 判例No.22平成28年(行ケ)第10186号 審決取消請求事件 ※以下は、独自の見解です。 1.実…
進歩性 阻害要因 判例No.21 平成17年(ワ)第6346号損害賠償等請求事件 ※以下は独自の見解です。 1.実務上の指針 主引用例に副引用例の内容を適用することにより対象発明に想到する場合に、次の(1)が言える場合だけでなく、次の(2)が言える場合に…
進歩性 除くクレーム 判例No.20平成20年(行ケ)第10065号審決取消請求事件 ※以下は独自の見解です。 1.本件特許の記載 特許第3835698号の請求項1の記載は、次の「」内と通り。ただし、下線部の箇所は、除くクレームとする補正箇所に変更し…
進歩性 特徴の表現が困難な場合には、その技術的意義を分かりやすく明細書に記載すれば、請求項の限定を少なくできる。 判例No.19 平成21年(行ケ)第10403号審決取消請求事件 ※以下は独自の見解です。 1.本件発明のポイント 特許第3290336号の請求…
進歩性 主引用例の部材Aの必須条件a(不燃性)と副引用例の部材Bの性質b(難燃性)とが似ていても、条件aを部材Bが満たすのかが副引用例から不明である以上、部材Aを部材Bに置き換える動機付けはない。 判例No.18 平成27年(行ケ)第10233号 …
進歩性 無理な用語解釈を前提として進歩性が否定されていないかを確認する。 判例No.17-2 平成28年(行ケ)第10040号 審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。 ※以下において、『』内は、上記の判決文からの引用です。 1.判…
進歩性 引用文献が特定の技術に限定されているのに、この限定を超えて引用文献の記載事項を上位概念化して認定することは許されない。 判例No.17平成28年(行ケ)第10040号 審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。 1.判決の…
進歩性 主引用例において、その構成要素に、当該要素と目的及び使用態様が異なる、他の引用例の構成を組み合わせることは容易でない。 判例No.16平成28年(行ケ)第10011号 審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。 1.本件特…
請求項の記載 発明の構成要素の名称を単に「部材」ではなく「~材」とすると、技術的な観点から何らかの限定が「~」にあると解釈され得る 判例No.15平成21年(ネ)第10006号補償金等請求控訴事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。 ※以下…
進歩性 引用例において、ひとまとまりの構成の一部のみを把握することはできない。 判例No.14 平成18年(行ケ)第10138号審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。※以下において、「」内は、上記の判決文からの引用です。 1.…
権利範囲の解釈に、発明の課題及び作用効果が考慮される 判例No.13 平成28年(ネ)第10047号 特許権侵害差止等請求控訴事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。※以下において、「」内は、上記の判決文からの引用です。 1.本件発明の要点 …
進歩性 課題を把握することが重要 判例No.12 平成20年(行ケ)第10096号審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。※以下において、「」内は、上記の判決文からの引用です。 1.本件発明の要点(特徴)請求項1の記載は次の通り。…
進歩性 後知恵 本件発明を知った状態で引用発明を認定すると認定を誤る場合がある 判例No.11 平成20年(行ケ)第10261号審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。 ※以下において、「」内は、上記の判決文からの引用です。 1.判決…
進歩性 用途限定 用途発明 他の物との関係で特定した物の構成は相違点になる 判例No.10 平成27年(行ケ)第10260号 審決取消請求事件 ※以下は、この判決についての独自の見解です。 ※以下において、「」内は、上記の判決文からの引用です。 1.判決…